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PSORIASIS

乾癬

乾癬について

乾癬は皮膚が赤く盛り上がり、その上に乾燥した白い鱗屑が厚く付着し、少しずつはがれ落ちていく難治性の皮膚病です。
乾癬には『尋常性乾癬』『膿疱性乾癬』『滴状乾癬』『乾癬性紅皮症』『関節症性乾癬』『掌蹠膿疱症』といった様々なタイプがあります。
症状としては良い時、悪い時が繰り返されるので非常に経過が長く、引っかいてしまった場合には再度同じ場所に皮膚症状が現れてきます。 乾癬の起こる原因は遺伝性や免疫が関係しているとも言われています。
ウイルスや細菌ではないので、他人にうつる心配はありませんが、日本人の3~4%の割合で乾癬が発症するともされています。
未だに根本的治療法がないと言われる中、当診療所でも行う皮膚科光線療法であるナローバンドUVB療法・エキシマライトは、乾癬に有効な治療法として国内外の学会や文献などで発表されています。

乾癬を分類すると尋常性乾癬が多いのですが、病変部に膿疱(うみ)を持つ膿疱症乾癬という乾癬もあります。この膿疱症乾癬は、汎発性と限局性とに分類され、後者の限局型膿疱症乾癬の代表として、掌蹠膿疱症 が上げられます。手掌・足底に生じる無菌性の膿疱を主とする慢性の皮膚疾患です。ただ掌蹠膿疱症は独立疾患で乾癬の分類の中に入れないといわれる学者もいます。
我々は難治性のこの掌蹠膿疱症に、エキシマライトを行い3例に有効であったことを”乾癬学会”で報告しました。最近さらに2例有効であったことも確認しました。このエキシマライトは、エキシマレーザーより範囲が広い病変部にも応用でき、安全性の高いターゲット光療法と考えています。

なお現在広範囲の尋常性乾癬も一部ずつこのエキシマライトを行う、としているので時間はかかりますが、他の皮膚科光線療法では治らない乾癬の方もこのエキシマライトは試みても良い療法だと考えます。

当院の治療法について

  • 乾癬の治療に関しては、以下の二つの考え方が代表的に扱われています。

    • ・皮膚の細胞の過剰生産を抑制して、鱗屑(りんせつ)の発生を防ぐ
    • ・炎症を防止して皮膚に現れる紅斑の発生を防ぐ

    具体的治療法には4つの潮流があり、塗り薬を使う外用療法、飲み薬を使う内服療法、点滴や注射を使う生物学的製剤療法、紫外線照射の効果を利用する光線療法に分けることができます。
    2012年以降は、顆粒球単球吸着除去療法が保険適用可能な選択肢となったので、膿疱性乾癬治療に役立てられています。

  • 外用治療

    ステロイド外用

    ステロイドは副作用が気になるという方も多いと思いますが、内服するより外用薬として利用すればリスクは少なくなります。

  • ビタミンD外用

    ビタミンD外用薬は副作用が少ないことから、期間が長くなっても使いやすいメリットがあります。紫外線治療と並行して使用するケースと、単独で使用するケースがあります。

  • 免疫抑制剤外用(プロトピック)

    プロトピックはステロイドよりも皮膚から吸収される率が低い特徴があり、副作用のリスクが少ないことから顔や首などの目に付きやすい部位に使用しやすい薬剤です。ただし紫外線治療と一緒には使用できません。

  • 内服治療

    ビタミンA誘導体

    主に皮膚の細胞が過剰に作られることを抑えます。
    主な副作用に口唇炎(唇やその周りがカサカサになって荒れる)、手のひら・足の裏の落屑(らくせつ:フケ状の皮膚のはがれ)があります。精子を作る機能や胎児に影響を与える恐れがあるため、薬剤を飲んでいる間だけでなく、中止後も男性は6ヵ月、女性は2年の避妊が必要です。

  • 免疫抑制薬

    免疫反応を抑制することで乾癬の治療を行う薬剤です。
    頻繁に使用されるものではなく、全身の皮膚表面積の3割を超える尋常性乾癬や、乾癬の状態を示すPASIスコアが12以上である時、乾癬によって生活の質の低下が著しい場合、他の治療方法で効果が得られなかった時など、限定的に使用される治療薬として知られています。
    乾癬性紅皮症・関節症性乾癬・膿疱性乾癬などの症例にも有効です。

  • 皮膚科光線療法

    VTRAC(ヴィトラック)

    VTRAC(ヴィトラック)は、従来から用いられていた紫外線治療で改善が見られなかった症例にも役立つ場合があります。範囲を限定して中波長の紫外線を出すことが特徴です。

  • ナローバンドUVB

    ナローバンドは光感受性薬剤を事前に使用しなくても利用できるので、利便性の高さが特徴です。治療に必要とされる中波長域の紫外線(311nm)をランプから照射して使用します。